電源を製造しますか、それとも購入しますか?BOMのコストだけで決定しないでください

2017年6月22日 by Aaron Yarnell

電源を製造しますか、それとも購入しますか?BOMのコストだけで決定しないでください

すべてのOEM設計チームにとって、コストとサイズの低減は大きな懸案事項です。部品表(Bill of Materials:BOM)のみに焦点を当て、電源などの部品を社内で設計することでコストの削減を図ることができるかのように見えますが、結局のところ、既製のソリューションは数ドルのコスト高になってしまいます。最終製品が大量生産される場合は、説得力があるように見えるかもしれません。

しかしその一方で、電源を出来る限り小型化することは容易ではありません。社内チームの主な能力の範囲外の知識を要求することになり、またその他の製品が必要としない、より高価なPCBアセンブリ(例えば、追加のレイヤーや重い銅など)が必要になる可能性もあります。

また、社内で設計を行い、それを単独でサポートするという側面は、さらに複雑でコストのかかるプロセスになってしまいます。テスト用の高い品質の電子負荷など、特別な装置が必要な場合があります。また、設計チームは、IEC 60950 -1 などの安全規格と、医療機器用のIEC 60601 -1 などの市場特有の仕様を遵守する必要があります。こうした遵守を促進するために、CUIが会員となっているPower Sources Manufacturers Association(PSMA)は、Safety & Compliance Database(安全と準拠データベース)を出版し、CUIは該当する安全基準、代理店および評価のダウンロード可能なガイドを出版しました。電源の効率は、例えば、LED照明、白物製品、セットトップボックスなどの製品向けのEUの最低要件など、製品がEcodesignの規制を満たすかどうか、ということに大きな影響を与えます。さらに、お客様は信頼性についての情報も必要としており、製品保証が提供される場合は、電源部品もカバーするために保証を拡張する必要があります。

簡単なタスクというものはありません

わずか数ワットを供給するために、システムが小型のAC-DC電源またはDC-DCコンバータだけを必要とする場合、システムPCB上に直接構築することができ、システム回路の他の部分と空間的に競合しなければなりません。変圧器や電解コンデンサなどの部品は比較的大きく、かさばり、集中化させるのが難しい場合があります。PCB全体の片側のみに部品を実装するとした場合、ディスクリート電源ソリューションは拡散してしまい、貴重なPCBのコンピュータ・リソースを消費する傾向があります。

もちろん、PCBのレイアウトを正しく設定することは結果として生じる電源のサイズに影響を与えるだけでなく、高周波スイッチングノイズの放出を最小限に抑え、適切な温度管理を行い、絶縁距離などの妥当な安全要件を満たすのにも不可欠です。

選び抜かれたパワー・コンポーネント業者の設計基準を使用することで、こうした課題を克服し、迅速で信頼できるソリューションを保証することができます。パワー・コンポーネント業者は、幅広いシステムの基本的な要件をカバーするための推奨事項や最良の設計プラクティスを展開しながら、汎用BOMを具体化することに熟練しています。ただし、アプリケーションはそれぞれ異なるため、OEMチームに指定された電源設計者は、アプリケーション独自の性能要件、スペース制約、温度要件、またはEMI要件を満たすために、設計基準から外れる必要があります。このため、プロジェクトに時間とコストがかかる可能性があり、結果として得られるディスクリート電源は依然として期待通りに動作しない可能性があります。

一例として、新しいアプリケーションは、1オンスの銅を含む2層PCBしか必要としないことがあり、 ディスクリート電源ソリューション用に選択された設計基準では、4層の2オンス銅を推奨しています。このオプションは、PCB層を2倍にしてアプリケーションボード全体の銅重量を2倍にしますが、これは設計にとって大きなコスト高になります。さらに、ディスクリートコンポーネントの電源プレーンとトレースのメーカーが推奨するレイアウトを注意深く再現する時間も負担となります。

既製のデザインの利点

対照的に、事前に設計された電源モジュールならエンジニアは最良の設計を最大限に活用できます。電源モジュールを活用して電力変換ニーズを簡略化・最適化しながら、最少数の層と最小量の銅を使用してシステムPCBを設計することができます。さまざまなディスクリート部品業者の製品や設計基準を評価したり、電源プレーンを設計したり、フィードバックループを短縮・最小化することに尽力したり、敏感なアナログ回路の側に電源スイッチが配置されていないことを確認したりといった作業に時間を費やす代わりに、基板スペースを最小限に抑えるよう最適化された、適切なサイズの事前設計された電源モジュールを選択するだけで、設計に関する他のタスクに注力できるのです。

ディスクリートおよびモジュラー電源ソリューションが占める基板スペースの例
ディスクリートおよびモジュラー電源ソリューションが占める基板スペースの例

カスタマイズされた社内電源とは異なり、市販のモジュールは、すでに国際的な安全規格やEMI規格に準拠しており、テスト、認定、事前認証を受けています。事前認証された電源モジュールを選択することにより、最終アプリケーションの認証プロセスの迅速化を図ることができます。また信頼性データもすぐに入手できるため、本モジュールは保証された製品として、OEMが自社の顧客をサポートするための全体的なコスト削減を可能にします。

CUIの PBO-5シリーズの5ワットAC-DCコンバータは、すぐに使用でき、OEMの開発時間とエンジニアリング作業、サポートにかかるコストを大幅に削減できるボードマウントモジュールの鏡と言えるでしょう。ULやCE認定を取得済みのこれらのシングルインラインパッケージ(Single Inline Package:SIP)モジュールは、PCBスペースを最大限に節約し、3 kVac 絶縁電圧と短絡および過電流保護を含む安全機能を提供します。

CUIの5 W PBOシリーズのAC-DC電源モジュールは、Z軸を活用して基板スペースを大幅に削減します
CUIの5 W PBOシリーズのAC-DC電源モジュールは、Z軸を活用して基板スペースを大幅に削減します

大量生産を伴う複雑性の低い電力設計といったディスクリート電源の設計を正当化できる状況は確かにあるものの、性能、信頼性、製品化までの時間、安全性、認証の有無、サポートなどが重要な懸念事項である場合、エンジニアは事前に設計された電源モジュールソリューションに目を向ける傾向がますます高まっています。確かに自社の電源を設計することで、BOMから数ドル分を節約することはできますが、設計上のリスクが増大し、開発時間も長期化することになります。

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Aaron Yarnell

フィールドアプリケーションエンジニアリング マネージャー

電気設計エンジニアとして、Aaron Yarnellはエレクトロニクス業界で約15年にわたる経験を有しており、製品設計、開発からフィールドアプリケーションのサポート、製造、技術文書まで、幅広い製品技術分野で活躍してきました。AaronはMBAを取得しており、それぞれの彼の職務に伴うビジネスの側面をより深く理解しています。プロフェッショナルな実績に加えて、Aaronは休日にオレゴン州の海岸を訪れたり、家族や友人と充実した時間を過ごしたり、大きな夢を描きながらワクワクするようなプロジェクトを構想したりして余暇を過ごしています。

 
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