USB3.1Gen2の完全ガイド – 接続について理解する

2018年2月13日 Bruce Rose

USB3.1Gen2の完全ガイド – 接続について理解する

USB規格は長年に渡って採用されてきており、技術のニーズと機能が増大するにつれて、進化・改善が行われてきました。USB Implementers Forum(USB-IF)は、最近USBタイプCコネクタおよびUSB3.1Gen2信号規格(スーパースピードプラスとも呼ばれる)の仕様をリリースしました。下表では、USB1.0から始まりUSB3.1Gen2までのUSB信号規格の発展と、その様々なモードとそれぞれに導入されているデータ転送レートを見ることができます。USBタイプCコネクタは、以前のコネクタ規格に加えてさらに多くの強化された機能も含んでいます。これらの改良点を理解することで、エンジニアはこのコネクタと様々な信号仕様を適切な方法で活用し、設計のパフォーマンスを劇的に向上させることができます。

リリース名 リリース日 モード 略記 総データレート
USB 1.0 1996年1月 低速度 LS 1.5Mbit/s(187.5KB/s)
フルスピード FS 12Mbit/s(1.5MB/s)
USB 1.1 1998年1月 USB1.0に共通の問題点は対処済みデータレートは同じまま。
USB 2.0 2000年4月 高速、さらにハイスピード HS 480Mbit/s(60MB/s)
USB3.0* 2008年11月 スーパースピード SS 5Gbit/s(625MB/s)
USB 3.1 Gen 2 2013年7月 スーパースピードプラス SS+ 10Gbit/s(1.25GB/s)
*USB3.0は現在、一般にUSB3.1Gen1と呼ばれています

USBタイプCとUSB3.1Gen2との間の誤解

USBタイプCコネクタとUSB3.1Gen2の関係においては、しばしば混乱を引き起こします。USB3.1Gen2規格は電気信号に対してのみ適用されているのに対し、USBタイプC規格は物理的なコネクタのみを定義します。ほとんどのシステム設計者達は、USBタイプCコネクタとケーブルを介してUSB3.1Gen2信号で通信することを選択しますが、USBタイプC仕様に適合しないコネクタを介してUSB3.1Gen2準拠信号を送受信することも可能です。製品設計者は、システムを他のシステムから分離したり、独自のハードウェアが確実に使用されているかどうかを確認する場合、USB3.1Gen2信号規格と各自の専有コネクタを使用してこのような構成を実装することができます。

同様に、USBタイプCコネクタは、USB信号規格に適合しない信号の送受信にも使用することができます。この実装は、USBタイプCコネクタおよびケーブルが幅広く入手可能で、かつコストが安価であることの恩恵を受けていますが、ユーザーは非適合の専有システムからUSB3.1Gen2規格適合のシステムへと接続することで、一方または両方のシステムを破損してしまうリスクがあります。

また、USB規格は、USBタイプCコネクタとケーブルを使用してレガシー(USB3.1Gen2以前)USBシグナリング構成を送信できることも留意すべき点です。これらの構成ではシステムに損傷を与えることなく、システムが一般的な通信と電源設定をネゴシエートしたうえで適切な電源供給とデータ転送をおこないます。

USBタイプCの利点

USBタイプCコネクタは、前世代のコネクタと比較すると多くの利点持った設計となっています。強化機能として、より小型のパッケージサイズ、より多くのコンダクタ、より高い電圧定格と電流定格、さらに優れた信号帯域などがあります。USBタイプCプラグとレセプタクルのサイズが縮小したことで、スペースに限りのあるアプリケーションに対しても幅広く使用できるようになりました。さらに、このプラグとレセプタクルは、標準方向でも上下反対でも接続可能で、プラグのレセプタクルへの挿入をすばやくかつ簡単におこなうことができます。

USBタイプA、タイプBおよびタイプCのコンダクタ数の比較の図
USBタイプA、B、Cコネクタのコンダクタの比較

USBタイプA、タイプBコネクタはそれぞれ4または5つのコンダクタを特定します。これに対しUSBタイプCコネクタは、24コンタクトを採用し、標準USBタイプAコネクタの嵌合サイクル1,500回と比較すると、最大10,000回の挿抜サイクルという向上した耐久性レートを持っています。各USBタイプCコネクタには4つの電源および接地コンタクトがあり、全体としては5Aの電流まで可能です。USBタイプCコネクタは、より高い電流定格に加え、電源と接地ピンとの間に最大20Vの電圧定格を持ち、100Wの電源供給が可能です。USBパワーデリバリ(PD)の仕様は、USBタイプCコネクタを通して可能なより高いレベルの電源供給の実装に関する情報を提供します。USBタイプCとUSB3.1Gen2は別々に定義された2つの規格です。USBタイプCとUSB PDは同じ関係にあることにも注意してください。USBタイプCコネクタは、USB PD規格をサポートするように設計されおり、デバイスのホストコントローラとケーブルもこの規格をサポートするように設定する必要があります。

仕様 最大電源 最大電圧 最大電流
USB 2.0 2.5W 5V 500mA
USB3.0および3.1 4.5W 5V 900mA
USB BC 1.2 7.5W 5V 1.5mA
USBタイプ-C1.2 15W 5V 3A
USB PD3.0 100W 20V 5A
USBパワーデリバリー仕様

最後に、USBタイプCコネクタは、2つのデータピンのそれぞれを介した10Gbpsのデータ転送をサポートします。この帯域のサポートは、2017年9月22日にUSB-IFによって発表されたUSB3.2規格の指定通りに両方のデータピンのペアが使用された場合、さらに20Gbpsのデータ転送レートをサポートします。

USB3.1Gen2に最適化する

前に述べたように、USB3.1Gen2の仕様は一連のデータや電源信号、およびこれらの信号特性を定義します。しかし、これらの信号と共に使用されるケーブルについては指定していません。USB3.1Gen2信号の転送に使用するケーブルは、電流、電圧、信号とUSB3.1Gen2信号を処理して劣化させないために十分なレベルの信号インテグリティ特性を伝送する必要があるということも注意すべき点です。USB3.1Gen2の仕様は10Gbps通信レートをサポートし、USBタイプCコネクタはこの速度以上で信号インテグリティを保つように設計されていますが、ケーブル長やケーブル架設の品質は共に通信帯域を制限する要因となり得ます。

USBタイプCマウント構成

USBタイプCレセプタクルには2つのバージョンがあります。エンジニアはコネクタをPCB(SMT)の上にマウントするか、PCBの空いたスペースにマウント(ミッドマウント)するかを選択することができます。SMTタイプのレセプタクルは、PCBに高さが加わり製品設計内にコネクタが必要となります。ミッドマウントタイプのレセプタクルは、よりコンパクトな設計が可能ですが、PCBトレースをコネクタの下に配置することはできません。

USB SMTとミッドマウント構成の図
USB SMTおよびミッドマウント構成

結論

USB規格は、信号、コネクタおよびケーブルに対して広く適用されてきています。最近リリースされたUSB3.1Gen2およびUSBタイプCコネクタの仕様は、標準化された高速かつハイパワーの信号伝送が可能になります。CUIが提供する適合USBタイプCプラグおよびレセプタクルは、USB3.1Gen2データ転送レートをサポートするように設計されていますが、規格の進化に合わせて、現在の10Gbpsという制限を超えた通信を行うことも可能です。

この記事またはトピックに関するコメントを今後当社が取り上げるべきだと思いますか?techinsights@cui.comにメールでご連絡ください。


すべきこと:タグ & カテゴリー
Bruce Rose

Bruce Rose

主席アプリケーションエンジニア

Bruce Rose は、エレクトロニクス業界で長年にわたり、設計、販売、マーケティングを担当し、アナログ回路と電力供給に重点を置いてきました。国際的なワークショップを開催し議長を務め、40以上の技術会議で論文の出版や発表をするなどの職務経験に加え、7件の特許を取得しています。Bruce は自分の仕事はもちろん、家族でハイキング、サイクリング、カヌーを楽しみ、また本格的な模型飛行機にも情熱を注いでいます。

 
Powered By OneLink