ブザーの基本 - テクノロジー、トーン、駆動回路

2018年10月16日 Bruce Rose

ブザーの基本 - テクノロジー、トーン、駆動回路

製品とユーザーの間情報の通信には、たくさんの選択肢があります。音声通信の最も一般的な選択肢のひとつに、ブザーがあります。ブザーの技術と構成のいくつかを理解することは、設計の過程で非常に重要となるため、本ブログ記事では典型的な構成について、ブザーのトーンや既存の一般的な駆動回路オプションの例を交えながら説明します。

磁気およびピエゾブザー

ブザー設計で使用される最も一般的な2つの技術は、磁気とピエゾです。多くのアプリケーションが磁気ブザーまたはピエゾブザーを使用しますが、この2つの技術のどちらを使用するかの決断は、様々な制約によります。ピエゾブザーは、しばしば磁気ブザーよりも優れた最大音圧レベル (SPL) 容量を持ちますが、磁気ブザーは、ピエゾブザー (12~220 V、20 mA) と比較して、より低い電圧と高い電流 (1.5~12 V、> 20 mA) で駆動します。しかし、ピエゾブザーのより優れたSPL機能は、より大きなフットプリントを要しますのでご注意ください。

磁気ブザーにおいては、磁場を産生する電流はワイヤーのコイルを通して駆動します。フレキシブルな強磁性ディスクは、電流が存在するときにコイルに引き付けられ、電流がコイルを流れていないときには「静止」位置に戻ります。磁気ブザーからの音は、スピーカのコーンが音を出すのと同様の方法で強磁性ディスクの動きによって生成されます。磁気ブザーは電流駆動型デバイスですが、電源は通常電圧です。コイルを通る電流は、印加電圧とコイルのインピーダンスによって決まります。

典型的な磁気ブザーの内部構造図
典型的な磁気ブザーの構造

ピエゾブザーは磁気ブザーと類似したアプリケーションで使用されます。ピエゾブザーは、圧電材料のディスクの2つの面に電気接点が配置され、次にエンクロージャ内のエッジでディスクをサポートすることによって構成されます。2つの電極間に電圧が印加されると、印加された電圧によってピエゾ電気材が機械的にひずみをおこします。ブザー内のピエゾディスクのこの動きは、上述した磁気ブザーまたはスピーカーコーン内の強磁性ディスクの動きと同様の方法で音を生成します。

典型的なピエゾブザーの内部構造図
典型的なピエゾブザーの構造

ピエゾブザーは、電流ではなく電圧で駆動するという点で、磁気ブザーとは異なります。ピエゾブザーはコンデンサとしてモデル化され、磁気ブザーは抵抗器と直列のコイルとしてモデル化されます。磁気ブザーとピエゾブザーの両方によって生成される音の周波数は、ブザーを駆動する信号の周波数によって、広い範囲にわたって制御することができます。ピエゾブザーは、入力駆動信号強度と出力音声出力との間に比較的リニアな関係を示し、一方、磁気ブザーの音声出力は、減少する入力駆動信号と急速に低下します。

ピエゾブザーと磁気ブザーにおける駆動信号と音声出力の間の関係を示すグラフ
ピエゾブザーと磁気ブザーにおける駆動信号と音声出力の間の関係を示すグラフ

トランスデューサおよびインジケータ

ブザーが生成できる音の例を次に示します。連続トーンや低速/高速パルス音は、インジケータまたはトランスデューサのいずれかによって生成することができます。

高/低トーン、サイレン、チャイム音は、シグナルの複数の周波数により、トランスデューサと関連サポート回路によってのみ生成されます。

磁気またはピエゾインジケータ向けアプリケーション回路

磁気およびピエゾインジケータ向けアプリケーション回路図

インジケータは、動作するためのDC電圧のみを必要とし、電圧が存在するときは常に音が発生します。

磁気トランスデューサ用アプリケーション回路

磁気トランスデューサ用アプリケーション回路図

磁気トランスデューサはブザーを駆動するための励起波形が必要です。任意の波形および広範囲の周波数を励起波形のために使用することができます。この図中のスイッチは、励起波形の増幅をおこなうために使用され、これは通常BJTまたはFETのいずれかです。ダイオードは、スイッチ(トランジスタ)が急速に遮断されたときに生成される、フライバック電圧をクランプするために必要です。

ピエゾトランスデューサ用アプリケーション回路

ピエゾトランスデューサ用アプリケーション回路の描画

ピエゾトランスデューサは、磁気トランスデューサと同様の回路で駆動することができます。ピエゾトランスデューサのインダクタンスは小さいため、ピエゾトランスデューサを横切るダイオードは不要ですが、スイッチが開いているときに電圧をリセットする抵抗器が必要です。この回路は、抵抗が電力を消費するため、ピエゾトランスデューサの駆動には通常は使用されません。トランスデューサに印加されるピークツーピーク電圧を増加させることによって、ピエゾトランスデューサからの音声レベルを増加させるために、他の回路を使用することができます。

ピエゾトランスデューサ用フルブリッジ回路

ピエゾトランスデューサ用フルブリッジ回路図

フルブリッジ回路は、しばしばピエゾトランスデューサの駆動に使用されます。4つのスイッチで構成されるフルブリッジを使用するメリットは、トランスデューサに印加されるピーク間電圧が、利用可能な電源電圧の2倍になることです。フルブリッジドライバーを使用することで、トランスデューサに印加される電圧が2倍になり、結果的に約6dBの音量が増加します。

結論

ブザーは、電子製品とユーザ間の通信を提供する簡単で安価な手段です。ピエゾブザーは、一般的により大きなフットプリントでより高いSPLをユーザに提供します。ピエゾおよび磁気ブザーも類似したアプリケーションで使用されますが、その主な相違点は、磁気ブザーはピエゾブザーよりも低電圧および高電流で動作することです。インジケータとして構成されたブザーは、駆動にDC電圧のみを必要としますが、単一の音声周波数に制限されています。一方、トランスデューサは外部回路を必要としますが、広い周波数範囲を提供します。

役に立つリソース

CUIの磁気ブザーおよびピエゾブザーのモデルをご覧ください
ブザーとその動作原理についての詳細
CUIのブザーのSPL計算機を使用して様々なSPLを換算する

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Bruce Rose

Bruce Rose

主席アプリケーションエンジニア

Bruce Rose は、エレクトロニクス業界で長年にわたり、設計、販売、マーケティングを担当し、アナログ回路と電力供給に重点を置いてきました。国際的なワークショップを開催し議長を務め、40以上の技術会議で論文の出版や発表をするなどの職務経験に加え、7件の特許を取得しています。Bruce は自分の仕事はもちろん、家族でハイキング、サイクリング、カヌーを楽しみ、また本格的な模型飛行機にも情熱を注いでいます。

 
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